山羊と狐と海岸で

主に雑記、サッカー(jリーグ、マリノス、代表)、音楽、テレビ、旅行などその他趣味に関してです。

ドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」備忘録

普通の人生とは

今回、Amazonプライムで見たのは、全クールで放送されていた吉田羊と國村隼のW主演の「生きるとか死ぬとか父親とか」

家族の精神的支柱であった母親を20年前に亡くし、その後に事業失敗によって無一文になった父親、蒲原哲也(國村隼)とコラムニスト兼ラジオパーソナリティの蒲原トキコの2人が過去に囚われながらも生きていく普遍的な家族の物語。

普遍的な話であるので序盤から中盤までは、誰もが経験した、もしくはこれから経験するであろう可能性のある話が中心で描かれている。タイトルはその回のテーマである2つの単語で組み合わされており、最後に重要なキーワードが発表される。

いつの日か自身の前にも立ちはだかる問題

個人的に突き刺さった回の1つは2話「老いるとか思い出とか」

高齢者施設に入っているトキコの叔母の元に2人でお見舞いに行く回。叔母は元華道の先生で頭脳明晰であり、生涯独身を貫いたトキコの憧れのある人だ。その回で、トキコたちがお土産の果物を渡した後に、その紙袋を見て「今日はなんのお土産をくれるのかしら?」と笑顔で再度聞いてしまうシーンがある。その後は老いていく叔母とトキコの母親の思い出話で盛り上がりながら話は進んでいく。

自分の祖母は実家で両親と共に住んでいる。元気だと思っていた祖母も88歳になり認知症の予兆も見られ始めた。同じ話や質問をしてしまったり、過去の思い出を全然覚えていなかったりとまさに同じような事象だ。普段から接している両親などは慣れだったり、曽祖母も最後は認知症であったのを見てきているので特に何を思わないだろう。

しかし同じ家で共に過ごしてきた祖母がボケ始めてくるのは自分にとって予想以上にショックだった。最近はショートステイにも通いはじめ、体が弱る中、ボケは矢のように進んでいくかもしれない。今回のドラマを見て今のうちに祖母と話しておくこと、特に祖母がどんな人生を歩んできたのかを今のうちに聞いておかなければ、もう二度とその自分のルーツを紐解くことができないのだ。

 

そしてもう一話は第4話「時代とか東京とか」

トキコたち家族の思い出の地、銀座。トキコのコラムが銀座の広報誌に載り、その広報誌を探しに銀座を歩き回る回。家族の思い出の地で話が弾む一方、変わりゆく東京に戸惑いつつも受け入れていく様子が描かれる。

このドラマにおける思い出の地は銀座だが、自分では地元や北千住、上野になる。そして自分に置かれている身はドラマで言うトキコたちが家族3人で幸せだった時期だ。これから何十年もなってしまった時に、自分の思い出の北千住や上野とは随分様変わりする日が訪れ、そしてトキコたちと同じように、自分達の知っている街でない感覚に囚われてしまう日が来るかもしれない。

それに抗うことはできないし、全てを受け入れなくてはならない。ただ自分らの美しい思い出の場所がなくなっていくことは自らのアイデンティティの喪失につながる。そんな日がいつか必ず来るのだ。そんなことを実感する回で将来の自分と重ね合わせてしまう回であった。

 

國村隼の魅力と松岡茉優の怪演

國村隼といえば「キルビル」でのヤクザだったり、「アウトレイジ」の本格ヤクザ役だったり、「地獄でなぜ悪い」のヤクザだったり、幅広いヤクザの演技がヤクザでヤクザなヤクザで定評が元々あったが、今回のような頼り無い役柄はとても新鮮だった。

あと服装がお洒落。イタリア人のような洒落た格好でまるで無一文には思えない。あれは憧れるけど、あれは國村隼だから出せる雰囲気なのであって自分がやっても浅く見えてしまうのだろう。

そしてこのドラマでは吉田羊の若い時の回想シーンでは松岡茉優が演じているのだが、もう松岡茉優は天才。

もう終盤の回では松岡茉優のドラマになった。完全に食った。「桐島、部活やめるってよ」ではめちゃくちゃうざい女子高生役、「勝手にふるえてろ」での主演でも半端でない怪演ぶりだったが、今回のドラマでもまるで本物の家族のようなリアル感で一気にドラマのシリアス感を出しドラマに深みが増したように感じた。もう感動のVTRにしたい時はBGMでとりあえず小田和正をかけておけば最低限の結果になるように、とりあえず松岡茉優を出しておけば、どんなドラマでも最低限になるかもしれない。

演技で言えば、演技力の高い役者で固められている今作でびっくりしたのが、トキコの元パートナー役で登場した芸人、かもめんたるの岩崎う大。これが予想以上の演技のうまさ。「わ〜、こういう人いそ〜」と思わせる佇まい。変にイケメン俳優とか使わず、本当にいそうなカップルの見せ方がとても素敵でした。ただ、一瞬、東京事変の浮雲と間違えたのが悔しい。

 

最後に

「生きるとか死ぬとか父親とか」非常におすすめのドラマ。

ただ憧れるのがトキコの仕事、コラムニスト兼ラジオパーソナリティという仕事。自分としても文章を読んだり書いたりするのが好きなことや、ラジオ(と言ってももっぱらバナナマンやおぎやはぎ)を聞くこともあって、それを生業としているトキコに憧れの目を持ってしまった。

まぁあくまで憧れなだけであり、じゃ実際リソナーの相談に乗ってみましょう!なんて言われても、水たまりにも満たない浅いことしか言えない。水たまりどころか水が落ちた時には蒸発して何も残らないレベルかもしれない。

そんなトキコさんから刺激を受けながら、今後もブログを続けて、雑記を続けていこうと思った次第でございます。

以上!!