山羊と狐と海岸で

主に雑記、サッカー(jリーグ、マリノス、代表)、音楽、テレビ、旅行などその他趣味に関してです。

映画「子供はわかってあげない」備忘録

沖田修一最新作

昔、GEOでアルバイトしていた頃は、社割で借りれることもあって馬鹿みたいに毎日何本も見ていた。観た映画を友人と語り合ったり、映画館だけでなくて、名画座にも通っていたりとあの頃は趣味を映画と言っても何も間違いでなかった。

しかし、社会人になってからは優先順位が変わったのかめっきり映画を見る機会が少なくなってしまった。他の趣味などに忙殺され、なかなか見る機会がなくなった映画だが、見たくなる映画というのはもちろんある。

それは好きな監督の映画だ。映画を毎日見ていた時期に好きだった洋画の監督はマーティン・スコセッシが圧倒的に好きだった。邦画では好きな監督は何人かいて「桐島、部活辞めるってよ」「紙の月」の吉田大八監督や「ディア・ドクター」「ゆれる」の西川美和監督も最新作と聞いたら見たくなる監督だ。

そして上記監督に並んで、この監督の最新作と聞けば是非とも見たくなるのが大傑作「横道世之介」や「南極料理人」の沖田修一監督である。特に「横道世之介」は歴代の好きな映画ベスト3に入るくらい好きで、就活で尊敬する人物は誰?という質問に横道世之介と答えたほどだ。(嘘)

そんな沖田修一監督の最新作は昨年公開した「子供はわかってあげない」。

agenai-movie.jp

公開当初から劇場で見たかったのだが、近くの映画館でやっていないことから見逃していたのだが、今回FODにて公開していたのですぐに拝見。

主演は上白石萌歌。今回「見なければ!」と思った理由として沖田修一×上白石萌歌のコンビだったのも大きい。ある時から気づけば上白石萌歌のファンになってしまっていたので、もしこれの主演が違う方だと今回ほどの熱量まではいかなかったかもしれない。

そんな「子供はわかってあげない」のあらすじとしては

高校2年生の水泳部、美波(上白石萌歌)は同じ学校の同級生である書道部 もじくん(細田佳央太)とアニメを通じで友達になる。その出会いをきっかけに幼い頃に別れた美波の父親を探すことに。元探偵?であるもじくんの兄(千葉雄大)に調査を依頼した結果、美波の父親(豊川悦司)は新興宗教の教祖であることや居場所が判明し会いに行くことなる。不思議な父親と過ごす一夏の冒険の物語。

 

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「子供はわかってあげない」感想

やっぱり沖田修一作品は外れがねぇ!!!個人的には「横道世之介」の次くらいに好きな沖田修一作品だった!!

上映時間は2時間18分と少し長目。それは沖田修一作品の長回しや独特な間を多用することによって発生しているのだろう。序盤の家族団欒のシーンやもじくんと屋上から降りてくるシーンなどの長回しは人によっては冗長に感じられるかも知れないが、個人的にはあの間が好き。

物語的にも新興宗教の教祖で人の心が読めるという父親(豊川悦司)の設定だが、宗教がらみの危険なシーンや洗脳とかなく(むしろ娘に小馬鹿にされるくらい)、変わった父親とその娘の数日間の家族についての物語であるためハートフルコメディになっているので安心して観れるし、ところどころクスッと笑えるシーンも多くてとても良かった。

個人的に好きだったのが顧問の先生。「なっ」が口癖で、この口癖じゃないにせよ「学校生活でこういう特徴ある口癖ある人いるよなぁ」と思い出させる感じがとてもうまい。

父親役の豊川悦司がめちゃくちゃ良くて、最初トヨエツなのが気づかないくらいの絶妙なダサさと不気味さが混同しているのだが、素は不器用ながらにも娘と距離を縮めたい父親としての見た目とギャップが素敵だった。トヨエツ史上一番普通のおじさん。むしろ高校2年生の女子高生の目の前にブーメランの海パン姿で登場するシーンは完全に事案案件。純度100パーセントの変態っぷりで最高なトヨエツだった。

そして上白石萌歌と細田佳央太の掛け合いを見てると、青春と青春と青春でこんな学生生活を送ってみたかったと心から思う。青春っぷりが眩しすぎて、もう汚い社会の空気を吸っている人間には逆に毒なのでは?と感じるほど。過去を振り返ると学生生活で上白石萌歌どころか右見ても左見てもむさ苦しい男しかいなかった男子校時代。スラダンのミッチー並みに「なぜ俺はあんな無駄な時間を…」という気持ちに。

 

全体的なコメディ感を出しつつ、要所要所はしっかり締めている構成で、見終わった時に温かい気持ちになると共に「もう自分では味わえない、戻ることのできない甘酸っぱい青春の時」が残酷なまでにつきつけられる。けどそれを思わせるくらいの映画はきっと最高の映画だ!!!

 

最後に

子供、もしくは学生×夏、例えば北野武作品の「菊次郎の夏」や「サマータイムマシンブルース」のような夏に起こる青春物語が大好物な自分からすると、今回の「子供はわかってあげない」も例に漏れず大好物な作品だった。きっとこの作品も夏が訪れるたびに見たくなる映画になることだろう。

今回めずらしく原作もKindleで購入。これを読むと上下巻の漫画は映画のに内容では描ききれていない別視点の話もあって、これうまい感じに脚本まとめたなぁと思えた。原作読むと、映画との比較や違いもわかってより楽しい。もちろん原作も面白かったからおすすめ!!

https://www.amazon.co.jp/子供はわかってあげない-モーニング-KC-田島-列島/dp/4063883795

ともあれ、映画「子供はわかってあげない」めちゃくちゃ良かった!!

 

以上!!!